ディールレポート · サンプル
医療・介護向けソフトウェア会社
クリニック・介護施設向けソフト · 関西(大阪周辺) · 2009 · 従業員9名
- 宛先
- 米国のサーチファンド、日本で初めての買収
- 日付
- 2026年9月
- 換算レート
- ¥150 = $1
約180のクリニック・介護施設にレセプト・記録ソフトを販売し保守している。創業者が中核製品を書き、引退を望んでおり、後任を雇う費用よりはるかに多い役員報酬を取っている。そのため実質利益は掲載よりずっと大きい。
希望価格
¥90M $600K
総額
¥127M $847K
希望価格+手数料+借入−現金
年間の実質利益
¥43M $287K
掲載では¥28M
倍率
3.0×
総額÷実質利益
回収年数
3.0年
実質利益ベース、税引前
適合スコア
91 / 100
継続収入、営業とサポートは自走、価格は予算内。
01概要
- 売上
- 1.9億円($1.27M)
- 顧客
- 約180、最大顧客は売上の6%
- 継続収入の割合
- 85%(年間保守契約)
- 社長
- 62歳、創業者で主任開発者、後継者なし
- 借入/現金
- 借入4,000万円、現金2,500万円(純借入1,500万円)
- 競合する買い手
- すでに12社が交渉中
02実質利益
掲載の利益から出発して、新しいオーナーの手元に実際に残る額。
| 項目 | 百万円 | USD |
|---|---|---|
| 掲載の営業利益社長の役員報酬3,000万円を引いた後の数字。掲載では別枠で開示。 | ¥28M | |
| 役員報酬を戻す掲載利益とは別に創業者へ支払われている。買収後はあなたのもの。 | +¥30M | |
| 創業者の後任の費用大阪で上級エンジニア兼マネージャーを市場水準で雇う費用、社会保険込み。 | −¥12M | |
| 費用化すべき開発費毎年のソフト開発費が資産計上されている。継続費用として扱う。 | −¥3.0M | |
| 年間の実質利益 | ¥43M |
この案件のすべては創業者の報酬にある。日本の経営者は節税のため利益を給与で取ることが多く、掲載利益は事業の実力を過小に見せる。
03総額
案件情報に出てこない手数料と、引き継ぐ借入を含めた、実際に払う額。
| 項目 | 百万円 | USD |
|---|---|---|
| 希望価格 | +¥90M | |
| 仲介の最低手数料(買い手負担)掲載には「別途仲介手数料」とだけ。最低額は案件の大小に関係なく固定。 | +¥20M | |
| サイト利用料(2.2%) | +¥2.0M | |
| 引き継ぐ純借入銀行借入4,000万円から現金2,500万円を引いた額。 | +¥15M | |
| あなたが払う総額3.0× · 回収 3.0年 | ¥127M |
判定
希望価格で進める。2週間以内に動く。
実質利益の3.0倍は適正で、他に12社が交渉中なので値引きは見込めない。希望価格で申し込み、創業者を12か月間有償の顧問として残す条件を付ける。最大のリスクであるコードの属人性を、引き継ぎに変えられる。
04注意点
要注意
中核コードを知っているのは創業者だけ
2人目の開発者がおらず、文書も薄い。12か月の残留契約がないと製品更新が止まる。
要確認
診療報酬・介護報酬は2〜3年ごとに改定
日本は固定周期で報酬制度を見直す。改定のたびにソフト更新が必要。1回あたり500〜800万円を見込む。
要確認
競合する買い手が12社
価格より速さと確実さが効く。条件の少ない申し込みが安い申し込みに勝つ。
良い点
顧客180、最大でも売上の6%
1社失っても痛くない。過去3年の解約率は年4%未満。
良い点
営業とサポートはすでに従業員が回している
社長の役割は開発であって営業ではない。代わりを探しやすい方の役割。
05売主に聞くこと
- 1.ソースコードの所有者は誰か。新しいエンジニアが次の報酬改定に対応できるだけの文書があるか。
- 2.過去3年の顧客解約数と、その理由。
- 3.顧客1件あたりの保守料金と、最後に値上げした時期。
- 4.次回の報酬改定に伴う更新の費用と時期の見込み。
- 5.創業者は12か月間顧問として残るか。その報酬は。
06次に要求する資料
- 3期分の決算書と勘定科目内訳書
- 契約開始日・料金・解約を含む顧客一覧
- ソフト開発費の明細と資産計上の方針
- 借入明細と社長の個人保証の有無
- 従業員9名の雇用契約と給与一覧
07承継の進め方
株式譲渡で、創業者は12か月間パートタイムの顧問として残る。成約前に日本人のエンジニア兼マネージャーを採用する。初年度はサポート体制と料金を変えない。TSUGUの月次レポートで現金、解約、報酬改定のスケジュールを追う。