ディールレポート · サンプル
ITサービス会社
受託開発と保守 · 東京圏 · 2004 · 従業員18名(エンジニア15名)
- 宛先
- 米国のサーチファンド、日本で初めての買収
- 日付
- 2026年9月
- 換算レート
- ¥150 = $1
10期連続黒字、保守収入が60%の堅実なソフト会社。難点は、価格に18%上乗せされる仲介手数料と、社長個人の関係で売上の半分近くを占める1社の顧客。
希望価格
¥120M $800K
総額
¥115M $764K
希望価格+手数料+借入−現金
年間の実質利益
¥19.5M $130K
掲載では¥22M
倍率
5.9×
総額÷実質利益
回収年数
5.9年
実質利益ベース、税引前
適合スコア
82 / 100
良い会社だが、総額は実質利益の5.9倍。安い指値でなければ見合わない。
01概要
- 売上
- 3.1億円($2.07M)
- 最大顧客
- 売上の48%(上場企業の子会社)
- 継続収入の割合
- 60%(保守・運用、毎年更新)
- 社長
- 67歳、営業を自分で担当、1年以内に引退希望
- 借入/現金
- 借入1,500万円、現金4,500万円(純現金3,000万円)
- エンジニア
- 平均勤続9年、60歳超が2名
02実質利益
掲載の利益から出発して、新しいオーナーの手元に実際に残る額。
| 項目 | 百万円 | USD |
|---|---|---|
| 掲載の営業利益10期連続で黒字。 | ¥22M | |
| 一過性の退職金を戻す昨年、元取締役に支払ったもの。再発しない。 | +¥4.0M | |
| 社長の私的経費を戻す社用車と社長の生命保険が経費計上されている。 | +¥1.5M | |
| 社長の営業役の後任費用最大顧客を維持できる営業責任者を東京の市場水準で。 | −¥8.0M | |
| 年間の実質利益 | ¥19.5M |
掲載利益はおおむね正直。重要な調整は社長の営業役で、誰かが最大顧客をつなぎ止めなければならない。
03総額
案件情報に出てこない手数料と、引き継ぐ借入を含めた、実際に払う額。
| 項目 | 百万円 | USD |
|---|---|---|
| 希望価格 | +¥120M | |
| 仲介の最低手数料(買い手負担)掲載には出ていない。価格に18%上乗せ。 | +¥22M | |
| サイト利用料(2.2%) | +¥2.6M | |
| 受け取る純現金を差し引く現金4,500万円から借入1,500万円を引いた額。 | −¥30M | |
| あなたが払う総額5.9× · 回収 5.9年 | ¥115M |
判定
交渉。8,500万円で指値、9,500万円超なら引く。
希望価格では、現金を差し引いても実質利益の5.9倍を払うことになる。8,500万円なら4.0倍で、日本の小さなIT会社が実際に取引される水準。掲載から4か月、応札は少なく、余地はある。
推奨の指値: ¥85M $567K
8,500万円+仲介2,200万円+サイト利用料190万円=総額1億890万円、純現金3,000万円を引いて7,890万円、実質利益の4.0倍。
04注意点
要注意
最大顧客が売上の48%で、関係は社長個人のもの
契約期間、解約予告、株主変更時の同意条項を確認する。社長の12か月残留を条件にする。
要注意
掲載に出ない仲介手数料
最低2,200万円、買い手負担。海外の買い手が一番驚く項目。
要確認
60歳超のエンジニアが2名
退職の予定と、最大顧客のシステムの知識を誰が持っているかを確認する。
要確認
未払残業代の可能性
小さな日本のIT会社は固定残業代制が多い。実労働がそれを超えていれば3年分を請求されうる。
良い点
継続収入60%、10期黒字、純現金3,000万円
事業そのものは健全。問題は価格と集中で、どちらも交渉できる。
05売主に聞くこと
- 1.最大顧客の契約:期間、更新日、解約予告、株主変更条項。
- 2.社長以外に、最大顧客の日々の窓口は誰か。
- 3.社長は12か月残るか。価格の一部をアーンアウトにすることを受け入れるか。
- 4.エンジニアの年齢・勤続・給与の一覧。退職予定は。
- 5.残業の制度と、直近12か月の実労働時間。
06次に要求する資料
- 3期分の決算書と勘定科目内訳書
- 3期分の顧客別売上
- 上位5社の契約書
- 年齢・勤続・給与・残業記録を含む従業員一覧
- 借入と保証の一覧
07承継の進め方
株式譲渡で、価格の15〜20%を最大顧客の更新に連動したアーンアウトにする。社長は12か月間会長として残り、営業の引き継ぎ計画を実行する。最古参のエンジニアを運用責任者に任命する。